高校生活のその先に。

ビジネスとボランティアのあいだ

千葉県いすみ市には、千葉県立大原高校があります。

以前は同じ市内に岬高校があったのですが、勝浦市にあった勝浦若潮高校と3校が合併し、今の大原高校ができました。

数年ほど前から、大原高校を魅力ある学校に変革し、地域とともにより発展していくことを目指し、様々な話し合いの機会が設けられてきたのですが、昨年より「大原高校と地域の未来コンソーシアム」が発足しました。

千葉県いすみ市にある千葉県立大原高校を魅力ある学校に変革し、地域とともにより発展していくことを目指します。
2021年7月より、月に1度、大原高校に集まり、話し合いをしています。 意見、アイデアを重ねていくことで信頼関係が生まれ、よりよいものが生まれていくことから、継続して参加される方がほとんどです。

私は、この事務局をお手伝いしているのですが、校長先生、教頭先生はじめ先生方だけではなく、生徒や地域で様々な活動をしている人が集い、2021年7月より、毎月1度集まって様々な意見、アイデアを出しあっています。

実は、この大原高校、かなりおもしろい。普通科以外に、生活福祉系列、園芸系列、海洋科学系列があり、専門的な勉強だけではなく資格も取れるそう。

学校の授業の様子はこちら大原高校のWEBサイトでも紹介されています。

【日誌 学校生活】https://cms2.chiba-c.ed.jp/chb-oohara-h/school

これからの時代、成績だけがすべてではないと、よく言われるようになりました。単にテストの成績がいいから評価されるというとおそらく違う。単純な○✕の問題が解けたとしても、それが社会に出て役に立つとは限らない。(むしろ、役に立つ方が少ないと、私は思いました)

それならば、早いうちから自分の興味のあることをとことん突き詰めて、専門性を持ってもいいんじゃない、と思うのです。

そんな時代に、高校から専門的なことが学べる環境っていいなと思うのですが、正直まだまだ世の中的には昔のママ。偏差値という基準で判断されてしまっているのが現状で、少子高齢化の影響もあり、年々生徒数は減少。4月からの入学者数もかなり減ってしまったそうです。

でも、自分自身はどうだったかな、と、ちょっと振り返ってみました。

かれこれ25年前(!?)私は第1志望の高校に落ちてしまって、滑り止めで受けていた私立高校に進学しました。(当時、千葉県の内房エリアでは、公立高校に進学する人が多く、私立は滑り止め。単願で私立高校を受験する人はほとんどいませんでした)

入学した学校はいわゆる進学校で。高校3年間は大学受験のためにあるという学生生活。高校受験が終わったばかり(しかも、落ちたばかり)なのに、入学前に学力テストがあって、そのテストの結果の成績別にクラス分けがされて、入学と同時に自分のいるクラスで学年の中の成績レベルがわかってしまうような環境でした。

せっかく、高校生活楽しみたいと思っていたのに勉強ばかり。かといって、自分のやりたいことも特にない。部活は中学校の時にもう十分やったので高校ではやりたくなかったし、でも、禁止されていたのでアルバイトもできない。流されるようにして、大学受験を考えて、なんとなく勉強に追われているような日々でした。

当時のわたしの夢は、中学生のころから映画が好きだったので映像関係の仕事がしたいなと、ぼんやりと考えていた程度。でもその仕事に就くためにどんな知識やスキルが必要か考えるほどでもなく。芸術とか映像とか、学部や学科に名のつくところをとりあえず調べて、自分の学力レベルでは入れそうなところで、かつ、家から通えるところはどこか、そんな基準で大学を選んでいました。

本当は国立大学でいきたいとこがあったのだけど、成績が伸びず挫折。第2志望だった私立大学の芸術学科に合格できたのでそこに進学しました。

大学は楽しかったけれど、大学に入学することが目的になっていた私にとって、大学で学ぶ意味もわからず(もちろん、興味のある分野だったので講義楽しかったけれど、それを将来どう活かすのか?なんて、考えてもいなかった)、その先の未来はほぼ真っ白。

卒論も書かずに卒業ができたので、結局大学で何を学んでいたのかというと、もはやよくわかりません。(でも、バイトしたりサークル活動に夢中になったり、大学生活は今の私に大きな影響を与えてくれたので、それはそれで本当によかった)

そんな感じだったので、当然就職活動も苦戦。就職しても、教科書(マニュアル)がないことに関しては、本当に何もできなかった。 会社としては言われたとおりに動く『使いやすい』社員だったと思うけど、もはや、それはAIに取って代わられる時代。自分の存在価値ってなんだろうと、ますます考えなければならなくなっていく気がします。

今ならば、学ぶ目的も、その学んだ知識の活かし方も、きっと分かるのにな。高校生当時は全く興味がなかったけれど、経済学とか、経営学とか、社会学とか文化人類学とか、今は結構興味がある。

行き当りばったりな人生を歩んできた私だけど、今、もし、高校生に伝えられるものがあるとしたらなんだろう。時代は大きく変わったけれど、あの時の私に伝えたいこと。

『おもしろい大人にたくさん出会ってほしい』。

おもしろい大人に出会うだけで、きっと世界は広がっていく。学校と家庭だけが世の中じゃない。親と先生以外にも大人はたくさんいる。

私は、このことに気がつくまで、大学を卒業してから10年もかかってしまったけれど、もし、高校生のうちにこのことに気づいていたらきっと、また違った世界が見えていたんだろうなと、本当にそう思います。

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