先日、武蔵野大学におじゃましました。
なんと、講義1コマでお話をさせていただくことになったんです。
今年から新設された工学部サスティナブル学科准教授の鈴木菜央さんにお誘い頂いたものの、大学で講義をすることなんて、もちろんはじめての体験。
なので、何を話したらいいのか、かなり戸惑ったのですが、そこはさすが菜央さん、学生たちの集中力も考えて、私のお話は40分程度にし、ディスカッション、Q&Aと上手に組み立ててくれました。
今回は、学生が将来のキャリアを考えるための授業。「こういう働き方もあるのか!」「地方で働くイメージが湧いた」と思ってもらえるような内容にしてほしいとのこと。
シェアハウスや図書館の運営だけではなく、イベントの企画など、今、自分がやっている仕事についてお話をしつつ、学生時代にやっていたことや卒業後、就職してからの自分のキャリアについてもお話をさせていただきました。
かれこれ20年近くも前のことだし、時代も変わってしまったけど、大学生だった私が知りたかったこと、不安に思っていたこと、そんなことを思い出しながら講義に臨みました。
20歳そこそこで、自分のやりたいことや将来の夢に向かってまっすぐに進んでいる人なんて、実はごく一部。私もぼんやりとやりたいことは見えていたけれど、そこに向かって胸を張ってまっすぐに進んでいく自信もなければ覚悟もありませんでした。
でも、まわりには「やりたいことを見つけろ」とか「就きたい仕事をちゃんと考えろ」とか言われてしまう。大学を卒業したら働かなければならない。自分がどうしたいのかもわからないのに、やってくるタイムリミット。
そんな焦りから就職活動はうまくいかず、一度すべてを投げ出して海外に2ヶ月行って、心機一転!
「とりあえず社会人になろう。自分で働いて稼いだお金で一人暮らしをして、自分で生活をつくろう」と、目標を変えたら、運良く就職先決定。自分がやりたかった仕事内容かと言われるとちょっと違うけれど、一番の目標であった「社会人になること」は達成できてほっと一安心。そこから私のキャリアはスタートしたのでした。
そこから、転職、移住、いくつかの仕事掛け持つ複業を経て、会社設立。
悶々と悩みながらいろんなことをしてきたけれど、振り返ればどれもやってきてよかったことばかり。ほんと、仕事はひとつじゃなくてもよかったんです。
講義終了後、学生の皆さんが講義の感想を書いてくれたのだけど(今は、オンラインで入力してそれが出欠確認になるらしい。もはや紙の出席表ってないのね。ビックリ)感想を読んでいて、少しでも思いが届いていたようでほっとしました。
世の中、上に上に、もっともっと、早く早くと言われることも多く、でもその先にあるのが必ずしも幸せな暮らし、豊かな暮らしではないことを、もはや、多くの若者たちは知っている。
先の見えない中、焦ることばかりだけど、そうではなくて、自分らしく、自分のペースでゆっくりと進んでいった先に、ひとりひとりの幸せがきっとあると思うのです。
上に上にじゃなくて、横に広げていったっていい。ひとつのことを深く掘り下げていったっていい。小さなものをたくさんつくったっていい。
世の中を生き抜いていくために変化していくことは必要なことだけど、その変化の形は人それぞれでいいじゃない。それがこれからの時代の多様性であって、サスティナブルなのだと思います。
学生さんからは、本当にたくさんの感想を頂きました。
ひとつひとつの感想がこれからの私の励みになります。またしばらくがんばれそうです。
ありがとうございました!