小さな図書館の5周年。

ビジネスとボランティアのあいだ

星空の小さな図書館は、この12月で5周年を迎えました。

元々納屋だった場所を改装し「図書館」として、新たなスタートを切ったのは2014年12月のこと。

あれから5年が過ぎたのかと思うと、早いものです。

週に二日しか開いていない。1日の通行人は一ケタ。最寄駅から、もはや歩くことなどできず、唯一のバスは1日4本のみ。

こんな不便な場所にある小さな図書館に、わざわざやってきてくれるなんて。ほんとうにありがたいことです。

「どうして図書館をはじめたんですか?」と、多くの人に聞かれます。

「元々、図書館をやりたかったんですか?」とも聞かれます。

私は、図書館をやりたくて移住したわけでもなく、物件を探した訳でもないんです。ただ今の自分と、これからの自分にとって、「あったらいいな」を考えたら、それがたまたま図書館だったのです。

星空の小さな図書館のある敷地には、大きな古民家があります。ご縁があって、その古民家をお借りして、シェアハウス「星空の家」をはじめたのが2012年。入居者はもちろんのこと、色々な人が遊びに来てくれるようになったのですが、シェアハウスは「家」なので、気軽に来てね、とは言いにくいこともある。

それならば、もっと気軽に立ち寄ってもらえる場所はできないか。子どもからお年寄りまで、わかりやすくて身近に感じてもらえるもの。

そう考え、出た答えが「図書館」だったのです。

本が好きだったし、本のある空間が好きだし、万が一、図書館として続けられなくても、私の書斎になるじゃない、と。

でも、はじめてみたら、ほんとうにたくさんの人が来てくれて、利用してくれています。

決してビジネスと呼べるようなものではないけれど、地域のコミュニティとして、機能しているようです。

ご近所のママさんたちの待ち合わせ場所になったり、子どもが自転車に乗って遊びにきてくれたり、よみきかせやワークショップの会場になったり、古本市を開催したこともありました。

本って、不思議なもので、世代やその人のバックボーン関係なく、様々な人を繋いでくれるツールになるんですね。

この5年間、私は、この図書館のカウンターに座って、たくさんのお客様をお迎えする中で、色々なコトを見てきました。もちろん、様々なドラマも。

もし、ここに図書館がなかったら、シェアハウスも続けられてなかったかもしれない、と思うほど、この気軽に立ち寄れるという「オープンな場」があってよかったなと思います。

図書館からコミュニティとは、つくるものではなく、育てるものなんだと、教えてもらったような気がします。

さ、6年目のはじまりです。これからもどうぞ、よろしくお願いします。

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