仕事と労働

ローカルワーク

先日、庭のシャクヤクの花が咲きました。つぼみから花が開くまでずいぶん時間がかかったけれど、今年も咲いてくれました。

最近読んだ本「なぜ、働いていると本が読めなくなるのか」の中で「仕事と労働」について触れていたのですが時々、私自身も「仕事ってなんだろう」と考えます。

仕事をする=会社に勤めることと思っていた就職活動。大学生の私には仕事とは何かもわからないまま、周りに流されるまま勤め先を探しました。

「何をするか」よりも「どこに勤めているか」を重要視されるそんな環境。なかなか就職先が決まらなかったものの、運良く大学卒業までに就職が決まって働き始めたけれど「やるべきこと」に追われて、仕事の意義みたいなものを見失っていくばかり。

一度転職(勤め先)を変えたけれど、やっぱりなんだか違う。思い切って仕事も暮らしも変えようと移住という道を選んだのが2011年。

新しい暮らしを始めてみて「仕事とは何か」ゆっくり考えてみようと思っていた時にあるイベントをお手伝いすることになりました。

それは、1日限りでさまざまなお店が並ぶマーケットでした。今までそのような場に行ったことも無ければ関わったこともなかったので、初めていった時、驚いたことを今でも覚えています。おいしいものや素敵なものがずらり。これが個人の手仕事でそれぞれ「屋号」を掲げて出店しているなんて。

ただただ「すごいなぁ」と思うばかり。一方で「私には何もない」とも思いました。わかりやすい何かを提供できるものがないと。

でも、みんなでマーケットを盛り上げようというこの輪の中に入りたい。仲間に入れてもらいたい。

そんな思いから、搬入を手伝ったり、お客様を迎えたり、会場で困っている人を手伝ったり、そういうことならば自分にもできると、お手伝いするようになりました。

そんな思いからお手伝いを続けていった結果、ある時「いつもありがとう」と、お礼をいただきました。大きな金額ではないけれど、その時の記憶は今でもはっきり覚えています。

マーケットは、出店した人から頂く出店料(固定のところもあれば、売上の応じて手数料をもらうところもある)で運営されているところが多い。私が受け取った謝礼は、出店者さんの売上からいただいたもの。そう思うとちょっと重みが違ったんです。

会社に勤めて頃は、毎月当たり前のようにお給料が入ってきて、毎月振り込まれた金額を見ては「今月はどうやりくりしよう」と考えていたっけ。自分の仕事がどのような形になって売上につながって、自分のお給料になっているのか意識したこともありませんでした。ある意味分断されている。今思うと、それは「労働」だったんですね。

お礼を受け取った時に、このお金がどのようにして生まれ、どんな人の手を通して自分のところにやってきたか手に取るようにわかって、とても不思議な感覚でした。

自分のしたことが誰かの役に立って、その対価として報酬を頂く。

目に見える商品やサービスを提供するだけではなく、誰かの役に立ちそこに価値を感じてもらえると仕事って成り立つのかもしれない。

この出来事をきっかけに「仕事ってそういうことなのかなと」考えるようになり、気がつけば、14年。まだまだ自分自身の答えはでないし、日々悩み続けているけれど、ぼんやりとでも、今はそう思います。

GWが終わり少し落ち着く季節。自分にとっての仕事とは。考えてみるいい時期かもしれません。

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