形を変えて、生まれ続ける、地域のマーケット

ローカルな仕事から、今とこれからを見る。

明日からゴールデンウィーク。今年は少しずつ賑わいが戻ってくるかな。大きな会場のところから、個人宅の庭を開放したイベントまで色々な情報が入ってくるようになってきました。少しずつ人の流れも変わって来そうですね。

このあたりでよく大きなイベントを開催しているのは『大多喜ハーブガーデン』。駐車場も広く(建物前だけではなく、信号を渡った反対側にも第2駐車場があるのです)屋根もついているので天気の心配もない。トレイもあって設備も十分。さすがに来場者数が1000人以上を超えると、駐車場がパンクしてしまうことがあるのだけれど、いつも色々なイベントが開催されています。

ちなみにGWは、「あつまんべ市」が開催されてるようです。こちらは、『大多喜ハーブガーデン』の自主企画で、様々なつくり手さんが出店しています。ここの出店をきっかけに実店舗をはじめたという人もいるほどで、はじめましての出店にはピッタリ。私が移住した当初から開催されていたので、もう10年近く続いています。「あのお店もかつて、出店していたの?」と知ると結構ビックリします。

実は、移住してきて最初にお手伝いしたマーケットの会場も「大多喜ハーブガーデン」でした。

2011年11月に第1回が開催された「房総スターマーケット」。3.11の震災を機に、この地域でみんなで何かができないかと、大多喜町にある珈琲抱さんが発起人となって立ち上がり、私はその事務方と当日の運営スタッフをしたのです。
当時は移住したばかりでほとんど知り合いもおらず、かといって出店できるようなスキルもない。元々、物事がうまく進むための調整役の仕事もしていたし、イベント運営は好きだったし、スタッフとして現場に立つのも苦じゃない。誰かの役に立ちたい一心で、第1回から関わっていました。

第3回(2012年11月4日開催)の時のフライヤーの画像を見返してみたら、なんだか本当に懐かしい。プロのデザイナーさんにお願いして作成してもらうこと自体、当時は珍しくてこれを片手に本当に多くの方が来てくれました。

一方で、地元の人からは「おしゃれすぎて自分たちとは縁のないお店が出てるんだろうと思った」と、言われて、ビックリ。告知の難しさを知った瞬間でもありました。

このお手伝いをきっかけに、様々なイベントやマーケットの運営を手伝うようになったのだけど、続けていくといろんなことが起こる訳で。月日と共に、いろんな変遷も見てきました。

社会情勢も大きく変わり、更に形を変える必要が出てきた中で、世の中が少し落ち着いたこのタイミング、最近では、こんなイベントやってみたい!と、今までにない、また、今まで企画者ではなかった人が立ち上げた新しい新しいマーケットも増えてきた気がします。

直近で気になるイベントは、いすみ鉄道国吉駅商店街(苅谷商店街)にある、地元スーパー「ふれあいショップ源氏」の駐車場で開催される『平日マルシェ』。

お休みの日のスーパーの駐車場を利用して、しかも平日開催というのが新しい。「週末だとなかなか行けないんだよね。」という方が、ずいぶんと楽しみにしている様子。

い鉄ブックス事務所の近くとあって、私も古本屋として出店することになりました。ご近所の方が遊びにきてくれるといいな。

そんな中、最近思うのは、様々なマーケットが増えていく中で、おそらく今後は「大規模マーケット型」「小規模連続型」「特化型」にわかれていくんじゃないかなと思うのです。

「大規模マーケット型」は、その名の通り、1日で何千人も集客するような大きなイベント。(この地域では500人も呼べばかなりの大規模イベント)
お客さんが多い分、皆さん、相当気合を入れて出店している。(売上がしっかり見込める)。一方で、駐車場やらトイレやらイベントに必要な設備もかかる経費も、必要な人員も大きくなるので、ちゃんと事務局が機能しないと大変。

「小規模連続型」は、毎月もしくは数ヶ月に1度、継続して開催していくというもの。出店者自体はそこまで多くなく、かつ、お客様もそこまで多くはないけれど、定番化することでリピーターさんが増え、お客さんや出店者さん同士の距離が近くなるタイプ。規模が大きくないので、会場もそこまで広い場所が必要なく、駐車場もあるもので足りる。ちょうどいいところで維持できて、無理がない。でもマンネリ化してしまうのが怖いけど。

「特化型」は、ある特定のジャンルの人のみ出店するというもの。たとえば、本屋さんだけを集めた古本市。クラフトマーケットなどは全国的にみると多いけれど、実はこのあたりではあまり多くなかった印象。今後クラフトマーケット含めてひとつのジャンルに特化したマーケットが増えていったらきっとおもしろいはず。 (パンガナイトというパン屋さんばかりが出店したイベントは、人が来すぎてもはや伝説です。)

個人的には、まだまだこの地域では少ない古本市、増えていくといいなぁなんて思っています。食べ物系のイベントと違って、売り切れる前に買おうと行列することもないし、時間問わず人の流れが生まれているし。

今後のマーケットのあり方も、きっと変わっていくんだろうな。

10年、いろんなイベントをやってきて、そこを土台に、また新しい形を見つけていきたいと思います。

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