みんなの『やりたい!』を持ち寄ってできたこと。

ローカルな仕事から、今とこれからを見る。

先日、あるワークショップを開催しました。

地方ではじめる、小さな本屋【2日間のワークショップ】 参加者募集 – 星空の小さな図書館

初めての企画だったので、参加したい人いるかなぁ、と少々不安ではあったのですが、蓋を開けてみたら、定員を越える参加者が集まりました!

それぞれの報告はこちら。

【地方ではじめる、小さな本屋】開催しました。 – い鉄ブックス
地方ではじめる、小さな本屋。開催しました。 – 星空の小さな図書館

実は、それぞれの報告を書いているのは私。仕事上、複数のサイトでよくこのような報告を書いています。元々PRの仕事をしていたし、伝えていくことの重要性を知っているからこそ、開催して終わりではなくて、報告もきちんとまとめるようにしています。

それぞれ自分の会社の事業の一つだとしても、立場が違う。なので、意識して、見方を変えて書くようにしています。今回は、い鉄ブックスの事務局、図書館の館長として、書いているので、ぜひ、両方を読んでもらえるとうれしいです。同じように2日間過ごしたけれど、見方を変えると伝えたいことも変わるなぁと、しみじみ感じています。

ここでは、またちょっと変わった角度からのご報告を。今回、このような企画をやろうと思ったきっかけを少しお伝えしたいと思います。

い鉄ブックスを約1年ほどやってきて、この大量にある本でなにかできないかと実は、常に考えていました。

ご縁があって、い鉄ブックス事務所をいすみ鉄道国吉駅前にある苅谷商店街の中に構えることになって、ご近所にはマチノイトがあって、いすみ古材研究所が拠点としているcommons isumiがあった。「みんなでなにか一緒にできたらいいね」と、国吉藝文祭を開催して、その中で古本市を開催。い鉄ブックスのたくさんの寄贈本が新しい持ち主の元へ旅立っていくのを見てきて、きっとこれはもっと工夫できる、と、思っていました。

でも、圧倒的なマンパワーが足りない。私達だけではできることに限りがある。

一方で、本屋さん、やってみたいけれど、きっかけがない。そんな思いを持っている人もきっといるはず。

それぞれの「やってみたい!」を、うまく組み合わせたらきっとなにかができるんじゃないかな。そんな思いから、ひとつひとつ組み合わせを考えてみました。

本はある。でも、活用しきれていない。じゃあ、上手に活用するとしたら、活用したい人と出会える機会をつくればいい。

空き店舗はある。でも、自分では活用しきれない。誰か活用してくれる人はいないかな。じゃあ、活用できる機会を提供すればいいじゃない。

いすみ古材研究所には、廃材や古材、古道具がたくさんある。工夫次第で棚やディズプレイに活用できそう。

マチノイトでは布のリメイクができる。大きな布は目隠しに活用できる。テーブルクロスとか、色々と活用できそう。

自分で一からはできないけれど、ある程度準備されているならば、本屋さん、挑戦してみたいな。楽しそう!

みんなができることを持ち寄って、みんなの「楽しい」を一つの形にしていく。

そんな事を考えて、今回の企画を練り上げました。私自身は、何も形あるものをつくってはいないけれど、私の役割は、「みんなのやりたい」を、集めて整理して、旗を振って進めていくことだったんですね。

そうやってできた今回の本屋体験。

たった1時間のお披露目時間だったけど、自分が提供したものがどんな形になっているのか、みなさんも興味津々。いつもはがらんとしている建物に本が置かれて、人が出入りしていると、ずいぶんと雰囲気も変わってみえました。

参加された方も、「本を選んで並べる」という単純なことだったけれど、自分らしさを表現できる場として、とても楽しそうな様子。

今回参加頂いた方の中には、次はリアル出店に挑戦したい!と、すでにそんなお話も頂いていて。今後さらに広がりそうです。

すべてを一人でやろうとすると大変だけど、こうやってみんなでちょっとずつ持ち寄ることで、できることってたくさんあるんですね。

なんだかそんなことに改めて気付かされた2日間でした。

私は、なにかモノをつくりだすことはできないけれど、(本当に形あるものつくるの苦手です)でも、あいだに入って調整するというのが私の役割であって、スキルなのかな、と、最近思うようになりました。

みんながみんな、モノづくりをしなくたっていい。わかりやすいなにかをもっていなくたっていい。

目には見えないけれど、いろんな物事を調整していく役が、ちゃんと「職業」としての肩書が持てるようにはなれないものか。まだまだ地方では馴染みのない仕事なのかもしれないけれど、これから地域に同じような仕事ができる人が増えていったら、きっと、もっとおもしろくなっていくんだろうな、と思わずにはいられません。

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